Jan Christiaan BraunのHappy Together. New York & The Other Worldについて。
ニューヨークの墓地にある、装飾過多?な墓を撮影したもの。
ハロウィンや故人の誕生日、母の日・父の日、バレンタインデー.etc...
花やお供え物を手向けるというレベルをはるかに超越したディスプレイ!
日本では恐らく「不謹慎だ!」とか「墓地の静かな景観が・・」とか、
隣の墓の一家から苦情が来そう。
それ以前に、狭いから無理だろう。
などとまず思いながら観ていました。
そこでやはり気になってくるのは死生観の違い。
日本人とアメリカ人、東洋人と西洋人、
いや日本と中国でもかなり違いがあるから、単純ではないか。
そもそも日本って、誇るべき伝統・文化・芸術があるはず。
なのに戦後の急成長で、
私たちの記憶からぜ~んぶどこかに吹っ飛んでしまっている感がありません?
これは、死生観も然り。
確かにほとんどの欲求は満たされる豊かな国にはなったんだけど、何もかもが薄っぺら。
死を静かにうけとめた上で、よりよく生きる術を各々の中で問うこと...
そういう作業を人生の中で行う機会がないに等しい。
また、そんなこと敢えてしなくても楽しく生きていける社会。
でもその一方で、形式には世界一こだわる。
盆・正月の帰省ラッシュ・・
死ぬということと生きるということ、
その狭間で我々日本人は無意識のうちに右往左往しているのかも。
死への最良ルートなんてカーナビじゃみつからないしね。
まあその点西洋人は、キリスト教という太い柱を持っているから迷わない。
その強さが、ニューヨークの派手な墓にも表れている気がする。
明るくド派手にHappy Birthday in Heaven!なんてことを、
生の世界と死の世界をつなぐ墓石を介して表現してしまう。
どちらがいいとか悪いとかではないけれど、
西洋人の骨太な思考・生き方には圧倒される昨今です。
ただ、三枚目の写真の左端のチャイルドシート、 これは反則ですよね・・・