2007年12月9日日曜日

いまさらベネチアビエンナーレについて書く!(ジュゼッペ・ぺノーネ)



イタリアつながりで、ベネチアビエンナーレ。

ジュゼッペ・ぺノーネ(Giuseppe Penone)のLymph Sculpturesについて私感を。

60年代後半イタリア、「アルテ・ポーヴェラ(貧しい芸術)」の一作家として...

なんて能書きはさておき(いくらでもネットに出てますので)

写真はバッテリー切れのため撮れず、ビエンナーレカタログから。

樹皮を剥いだように見えますが合成樹脂でしょう。

製材された木の年輪を丁寧に追い、その年の姿を彫り出しています。

会場には大理石が敷き詰められ、マーブル模様に沿って彫り込まれていました。

ちょうど等高線のような感じに。

※キーワード

lymph:リンパ液、清水の泉、樹液

vein:大理石の石理(いしめ)、葉脈、血管・静脈

どちらの言葉も人間と自然いずれにも係る。


大理石を踏みしめた時、足の裏に強烈にその凸部を感じました。

靴底を介してまでも、石の血管を直接皮膚感覚として受け取ったわけです。

この作家の手法によって存在を明示された自然物が、

雄叫びをあげ主張する声が聴こえてくるようで・・・

踏み続けてある種の交錯感を覚えはじめた時、なんとなく怖くなり退きました。

これって、やはり作家が用意した罠にはまっちゃったってことですかね(^^;

樹木の年輪も、大理石の模様も、樹皮の襞も、生の記憶。

それが顕示された時に私が感じた怖れ。

人間存在の危うさ・脆さを突きつけられた気がします。


ってゆ~か人間も自然も分解すれば分子や原子に過ぎないんだけどね!(逃げ口上)

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

>大理石を踏みしめた時、足の裏に強烈にその凸部を感じました。


靴底を介してまでも、石の血管を直接皮膚感覚として受け取ったわけです。

・・・すごいですね!ぜひ実感してみたいです。それが作者のドツボにはまってしまったということですが、もう否応がなしにはまってしまう作品ていのも稀有なものです。
触感とかにすごい興味あるんでつい食いついてしまいました!その作品非常に気になります!!!

藤井達矢 さんのコメント...

takashiさん

豊田市美術館・金沢21世紀美術館・福岡市美術館などが収蔵していますね。
あと、新宿アイランドタワーに爪のパブリックアートがありますね。